第22回住まいづくりサロン
「木が木材になるまでの勉強会」
日 時 :2002年9月29日(日)
     10時〜12時
場 所 :天竜市横川 榊原商店ログハウス
出席者 :大人13人 子供6人 11家族




 森とすまいの会では、木材をどのようなかたちで考えているか一度じっくり勉強する機会を設けたいと思っていました。そこで今回、榊原商店をお借りして、土場の見学も兼ねながら座学のサロンとなりました。
 最初、土場で榊原さんから60年生の丸太と90年生の丸太を見せてもらい、同じ太さでも年輪のつまり方が違うことを説明してもらいました。また、葉枯らしをした材と、していない材を参加者に持ってもらい、葉枯らしの効果を体感してもらいました。
 一本の丸太からどのような材木がとれるか、材木の大きさをどのように測るかなど、具体的な話を製材の天野さんからしていただき、基本的な知識を身につけた後、室内での勉強会となりました。
 一件の家に使われる材木の量、また、工事にしめる木材費の割合など、メンバーの大屋さんの家を例に説明をした後、一般に流通する木材と森とすまいの会で使っている木材の流れを比較しながら、今の「山」の状況を経済の面からお話ししました。現状の林業が一般流通の中では成り立たなくなっていること、一般的な市場に頼らない「顔が見える関係」を築きながら木材を使っていくことによって、より良い材が適正な価格で住まい手の元に届き、かつ、林家へも材価を還元していけることがわかって頂けたのではないかと思います。

     
 
〈感想カードの紹介〉
  1. 木と材木についての話は、本などで読んだことはあったのですが、実際にお仕事をされている榊原さん、天野さんのお話を聞くことができてとても勉強になりました。特に、流通の中での値段の決まり方と「よい材料」に関する話が興味深かったです。また、葉枯らしによる乾燥の効果や伐採の苦労、手間等についても聞くことができて、次回の勉強会がさらに楽しみになりました。
  2. 初の参加です。聞く話が全て新鮮で驚きの連続でした。ためになるよい話でよい勉強になりました。さらに関心が増してきました。今後ともよろしくお願いします。
  3. 今回は、木を知るという勉強で木を使うという難しさが改めて理解出来たような気がします。適正価格と市場価格という二つの言葉が出てきましたが、天竜の山の現状を知って本物の価格を見極める時代がさしせまっていると感じます。こういう建て主から業者、設計者のあつまりをいかにわかっていってもらうかということが、本当に必要だと感じます。