今回のサロンは、楽器博物館の北側にある「アトリエ　ぬいや」を会場にして、スライド上映会を開催しました。「風土と暮らし　〜Ｔｕｒｋｅｙ〜」と題して、トルコの風土、建築物を紹介。「森とすまいの会」の主宰者の内、3名がトルコを旅したことがあり、その時のスライドを上映しながら、気候風土、文化の異なる地の生活の有り様をお話しました。案内状に記載した文章でありますが、今回のサロンの主旨を簡単に説明します。
　気候風土の異なる国の住まいの形を真似る必要は何処にも有りませんが、其々の気候風土に対して如何に対応し、自然を如何なる対象と見なしているかというのは、興味深いところです。
　アジアの外れに暮らす我々は、我々を取り巻く気候風土に対して極めて敏感に対応し、繊細な暮らし方をしてきた筈です。しかし現在はこうした気候風土に対する視座を欠き、「私の思いを叶えるのがすまいづくりだ。」という誤った風潮が流布しています。派手な外壁の住宅、南欧風の瓦屋根。新興住宅地に見られる街並みには落胆してしまいます。
今回のスライド上映会に気軽に参加することで、「住まいづくりに対する考え方に、少しだけ広がりが生まれれば。」こんな想いでサロンを開催しました。