第39回住まいづくりサロン
「暮らしの場をつくる」
〜西平松の家 完成見学会〜

日 時 :2006年6月10日(土)
場 所 :西平松の家
出席者 :大人12人 子供5人




 今回の会場は、24坪の小さな住まい。昨年末に完成し、暮らしを重ねたのは約半年。この住まいを会場に、見学会を開催しました。最初に設計者から計画の経緯、住まい手の方の「人となり」や「想い」をお話しました。

 竣工間もない住まいですが、まるで以前から其処に在ったような、不思議な趣と佇まいが有ります。何故でしょう。
 物としての住まいではなく、確かな暮らしが、其処で繰り広げられているからでしょうか。

・ 住まい手の方と最初に敷地を訪れた時、この敷地は竹林だったこと

・ ご主人自ら、中古のユンボを買い求めて開墾を行ったこと

・ 住まい手自らが、塗装工事やタイル貼りなど一部工事に参加して創り上げたこと

・ 一見工事途中に見える壁、床、建具等は、これから住まい手自らが楽しみながら工事を進めて行く予定であること…

 住まいに対する住まい手との関わり方が、極めて濃密です。誰もが、こうした暮らしや生き方を真似することは難しいかも知れませんが、住まいを訪れ、空間の中に身を置くことで何かを感じることが出来たのではないかと思います。


サロンの様子


西平松の家:設計 アトリエ樫/施工 番匠


〈感想カードの紹介〉

  1. 新建材、断熱材を使用しない家というものを初めて拝見しました。きっと子供にも良い環境だろうなと思いましたが、私達には、このような良い家に住む勇気はないかな…とも思ってしまいました。「自らが心地良い家」とは…を、もう一度考えるよい機会となりました。土間台所については、なんだか昔、自分が育った家のようで懐かしくなり、改めていいなと感じました。
  2. 土壁と木で出来た家で、飾り気がなく、自然と共存する暮らしという生活スタイルがよく伝わってくる家でした。
  3. 家の工事が完成した時が完成ではなくて、住みながら住み手が家を作っていくという考えに「なるほどな」と思いました。利便性よりも自然体の暮らしという感じで、共感が持てました。お金を掛けるところと、そうでないところ。こだわるところと割り切るところが、とてもはっきりしていて、潔さを感じる住まいだと思います。ありがとうございました。
  4. 建主さんと坂田さんの個性がマッチして、違和感のない楽しそうな家という印象です。周りの環境にも合っている。大工さんのお仕事もきれいで感心しました。