第42回住まいづくりサロン
「障子の張り方講習会」
〜経師と建具・メンテナンスの話〜

日 時 :2007年3月4日(日)
場 所 :浜松市西区湖東町 野中建具店
出席者 :大人17人 子供2人 11家族



 今回のサロンは建具屋さんの場所をお借りして、障子の張り方を実演してもらうことになりました。経師(きょうじ)屋さんの玉花堂さんが障子と襖を用意してくださり、まずは障子から。水をたっぷり含ませた雑巾で障子紙をぬらして、古い紙をはがし、桟についた古いのりもきれいに落とします。障子紙を貼るためには桟がしっかり乾くまで待ちます。
 その間、襖の張り替えの実演。木製の框をはずし、引き手を取って、紙をはがします。無駄なところにのりを付けていないので、きれいにはがせます。その後、下張りの薄い紙を貼っていきます。薄い紙は12枚、四角い紙の二辺はカットしてありますが、後の二辺は水を付けてちぎった様な切り方になっています。この二辺に紙を重ねてのりを付けます。紙を重ねて貼るとき、このちぎった辺が上になるように重ねていくと段差ができないのだそうです。
 私達設計者も何気なく、襖を指定していますが、やはり職人さんの気遣いと腕が建物を造っているのだなと、つくづく思います。
 そろそろ、障子が乾き、紙張りの実演です。水で溶いたのりをはけで付けていきます。水の薄め方は、薄い紙は薄く、厚い紙は濃く、貼るものによって加減するそうです。なかなかこの加減というのが素人にはわかりかねますが…。そこが、プロなのでしょう。何人かの参加者も実地指導を受けて、刷毛の持ち方やのりの付け方を教えて頂きました。
 せっかくの講習、年末にやれば良かったと少し後悔しました。また、こんなサロンも開いていきたいと思います。



〈感想カードの紹介〉

  1. 今回のサロンは、建具屋さんならではの仕事ぶりを生で見ることができてとても興味深いものでした。障子紙や襖の紙の張り方で、のりの濃さの使い分けやそのポイント、何故そうするかといった理由など「目から鱗」の満載でした。障子の張り替えは過去に何度か自己流でやったことがありましたが、「こんなやりかたで良いのだろうか?」と疑問に思っていたところが「こうすれば良いんだ!!」とひとまず頭では理解できました。あとは手をうごかすのみといった所でしょうか。 家の中で、自分でできるメンテが少しでも多くなると良いなあ、と思っています。今後もこの手のサロンが定期的に行われることを期待します。
  2. 家を建てるからにはできるだけ自分でメンテナンスできることはしていきたいと考えているので、実際に目で見られる機会があると勉強になります。今後も、勉強も兼ねて参加していけると良いなあ、と思います。