第59回住まいづくりサロン
ものづくりの現場「瓦」
〜瓦製作の工場を訪ねる〜


日 時 :2010年10月11日(月)
場 所 :愛知県豊橋市 伊藤鬼瓦
出席者 :大人17人 子供2人 (スタッフ含む)



「瓦」製作の現場を訪ねました。

生き物は、身の回りにあるものを利用して、
自らの生きる場所、住処を築きます。
日本に暮らす我々の御先祖様は、木を使い、草を使い、
土を使い、住まいを築いたのでした・・・。

現在、瓦は、三州、石州、淡路が三大瓦産地とされていますが、
以前は日本各地で瓦が作られていました。

その土地にある土を用いて瓦を焼き、
その土地に暮らす職人が屋根を葺く、
そして、その屋根を守り続ける・・・。

瓦のことを、僕達はもっと知った方が良さそうです。
瓦の話を聞きましょう。


鬼瓦に向かう、物に対峙する。

僕の作る「鬼」は、
優しい顔になっちゃう・・・。

そんな言葉をつぶやきながら、
黙々と鬼瓦を作り続ける
職人さん。

<サロンの様子>

<前回サロン案内>

〈感想カードの紹介〉

  1. いろいろなかわらのしゅるいやいろがあるんだなあとおもった。おにのかおをてでほれるなんてプロだとおもった。 (参加した小学生)
  2. 現在は瓦の産地とは言えない豊橋の地で、全国に鬼瓦を出荷して頑張っている工場があることに驚きました。型にはめて作る鬼瓦の作業と共に、特注の鬼瓦を手作業で作っていく様子、その技のすばらしさを、間近で見ることができ、貴重な体験となりました。技を後世に伝えていくことは容易でないと思いますが、伝承されて行くことを願っています。また、屋根瓦を土葺きすることは、ほとんどなくなりましたが、土が断熱材、調湿材、防水シートの役割を果たし、瓦の隙間から換気が行われ、屋根裏が湿気たり、暑くなったりすることを防いで屋根を長持ちさせ、室内環境を良好に保っていたとの話を伺い、改めて伝統的な構法が優れていたことに気づかされました。 (大屋建築計画事務所 大屋広康)
  3. 鬼瓦というかなり特殊な建材に特化して、がんばっておられるのを拝見してとても一生懸命さが伝わってきました。地場産業である瓦製造とういう業種が、建築の流行や時代背景とともにある程度の規模と工業化が必要になってきて、販路を全国に広げつつ、かつ鬼瓦という手作業から離れることのできない「技」を守っているのがよくわかりました。粘土から生まれる鬼のかたちは、伝統の積み重ねによってしかできなのではないかと感じます。間近で作業を見せて頂いてとても貴重な現場に立ち会わせて頂いたと感じました。願わくばこの「技」が今後も継承されて、屋根のてっぺんから世の中ににらみをきかせていって欲しいと思います。 (青島工房 青島明弘)
  4. 職人さんの手をみると人差し指が粘土をなぞる方向に曲がっていて驚いた。きれいな鬼瓦は長年の業によってできていることを知れた。どうか技を継いでもらい、手で作る鬼瓦が残っていってもらいたいと感じた。 (番匠 池田あゆ花)
  5. 働いている職人さん、皆さんがとても誇りを持って楽しそうにお仕事をされている姿が印象的でした。鬼瓦の再生、瓦の焼き直し、鬼瓦の制作など初めて見るものばかりで、瓦というものの奥深さを知ることが出来ました。 (アトリエ樫 塚本有紀)